介護の費用はいくら必要なのか

私は現在実家の両親の介護をしています。

両親二人とも要介護4で、母は認知症です。

実際に、介護ってどのぐらいお金がかかるのか、実際に現場の声をお届けしたいと思います。

 

実際に介護をする身になってみて、初めて知ることとなった「介護の費用」

これは一口に、いくらかかるから、いくら準備しましょう・・という単純な事ではなかったという事がわかりました。

と言いますのも、年金をいくらもらっているのか、課税世帯なのか、非課税世帯なのか、医療費が何割負担なのか?

によっても、かかる費用が全く違ってくるのです。

 

生活保護とか、年金が基礎年金のみしかもらっていないとか、そのような場合でも、決して国から見捨てられずに、格安な料金で施設に入ったりすることができるという事もわかりました。

 

知り合いの方がが特別養護老人施設(通称:特養)に入り、年金では足りないと言っていたので、年金で足りないなんて一体施設っていくらかかるのかしら?と不安に思って聞いていました。

その方は校長先生だったので、共済年金も沢山もらっているはず、なのにそれでも年金ではまかなえないって、

そんなに施設の金額が高額なのだろうかと思いきや、その方は、医療費負担が二割負担の方なので、一割負担の方の二倍かかるわけです。

だから、年金だけでは足りないという事だったようです。

 

要は年収によって、支払う金額も違ってくるという事です。

これは、お子さんを保育園に預けていた方ならお分かりと思いますが、保育園も親の年収によって保育料が違いましたよね。老人の介護費用もそういうことになるのです。

 

私の年代になりますと、親の介護をしていたり、親を老人施設に入れたという方が多く、度々費用面の話題になります。

お父様が他界されてお母様が一人暮らしで、夫の遺族年金で生活している場合、この場合の方が高齢者施設に入ると、だいたい、年金全部施設に払って、少し貯金から負担する、という場合が多いようです。

 

施設代も、地域によって全然違います。いわゆるマンションの賃貸価格と一緒で、都心部の施設は、特養でさえ、かなりな金額ですし、東京都内でも、都心から離れた田舎の方で駅から遠く利便性が悪い地域だと、10万円ほどで入所できるところもあるようです。

 

さて、我が家の両親の話ですが、両親は91歳と92歳で二人とも長生きなのはありがたいことなのですが、二人分の年金を合わせると、課税世帯扱いとなるので、ショートステイ(単発のお泊り施設)の利用料など、高くなってしまいます。

非課税所帯だと3分の2か半額で利用できます。

 

かといって、二人施設に入れるほどの十分な年金額が受給されているわけではなく、

母は専業主婦だったので、基礎年金しかもらっていません。ですから、両親どちらかが施設に入ってしまうと、残されたものの生活費が心配ですし、二人とも施設となると、年金だけでは到底足りず、貯金だってあっという間に使ってしまいます。

 

まわりのお友達のご両親の例でも、普通のサラリーマン所帯の場合、高齢者施設に二人そろって入所している方は少なく、自宅で介護している方が多いように見受けられます。

夫婦そろって高齢者施設に入られている方もいらっしゃいますが、そのような方は、株で資産を持っていたとか、地主で土地を売ったとか、十分な資金がある方が多いように感じます。

 

片親だけなら、特養であれば年金を全部つかって、入所できる場合も多いですが、特養は要介護3以上でないと入所できないので、要介護2以下の人では、老健や介護サービス付き高齢者住宅という選択肢になります。

その場合は、年金だけでは払えない金額になってしまい、貯金から毎月補助しているという声をよく聞きます。

 

我が家の場合は、両親が頑張ってコツコツと貯金はしておりましたが、そうはいっても、夫婦二人で施設に入ったら、貯金をあっという間に切り崩してしまう可能性がありますので、現在は自宅で二人とも見ています。

あと何年生きるかわからないだけに、施設に入れるのは、もう少し先に見送ろうと思っています。

母が認知症なので、いつまで私が見れるかわかりませんが、徘徊がひどくなって手に負えなくなったらその時は、仕方ないと思っています。

 

さて、今度は夫の母の例なのですが、夫の母は公務員だったので、父は亡くなっていますが、遺族年金ではなく、

自分の年金で生活しています。教員だったのですが、定年退職後も嘱託で65歳まで働いていたので、十分な年金を頂いています。

ところが、十分な年金額ということは、医療費が二割負担なので、これまた施設に入ったり、介護施設を利用するとなると、私の実家の両親の二倍かかってしまうのです。

幸い義母は88歳にして、まだ元気で、要支援1という軽い状態ですので、週に一度リハビリ専門のデイサービスに通っている程度でおさまっています。

義母の利用料は二割負担でも月に4000円ほど。手すりや玄関のスロープなど、介護レンタル品の利用料が2000円弱ですので、義母の場合は介護費用月々6000円ほどで収まっています。

 

私の両親の場合は、認知症の母が週に4回のデイサービスに通い、デイサービスの日は毎朝ヘルパーさんに援助に来ていただき(30分ほど)、シルバーカーや手すり、介護ベッドのレンタルを利用しており、母だけで月々5万円程の利用料です。

父は、週に3回のデイサービスと、手すり、シルバーカー、介護ベッドのレンタルで合わせて父だけで3万円程の利用料です。

母は専業主婦だったため基礎年金しかもらっていないため、これだけの利用料だと、年金以内でなんとかギリギリ収まりますが、

私が仕事や用事があって、土日にお泊りのショートステイに預けるとなると、母の利用料が一気に跳ね上がります。

今年に入って認知症がひどくなり、私と父とでは母を見るのが大変になってしまい、ケアマネージャーさんからも、「介護者ファーストですよ、娘さんが倒れたら元も子もありません、ショートステイなども利用してたまには楽をすることもお勧めですよ」と言われ、今年の前半は、土日は一泊二日のショートステイも利用していました。体操やリハビリもしてくれて、水分補給もしっかり管理してくださり、規則正しい生活を送れますので、母にはとてもよかったと思いますが、

毎週利用するとさらにプラス毎月6万ほどかかってしまいます。

ショートステイは施設によって利用料金が異なるので、もっと安価な所もありますが、お安いところはいつもいっぱいでほとんど予約が取れません。

 

父がリハビリのおかげでだいぶ歩けるようになり、母を介護する側の戦力にもなってくれているので、

最近は、土日はショートステイを利用せずに、自宅で見ています。

 

我が家の事例でお話させていただきましたが、

まとめますと、

・片親の場合で要介護3以上の場合は、特養が利用できるのでほぼ年金でなんとかなる

・片親で特養に入れない場合は、年金ブラス貯金を切り崩す必要がある

・両親健在で課税世帯の場合は、二人とも施設に入所すると莫大な金額がかかる

 

両親健在の場合は、長生きしてくれて本当にありがたいことなのですが、我が家の事例でお話ししたように、二人とも施設に入所となると、課税世帯の場合はかなりの金額がかかりますので、デイサービス、ヘルパーさん、などを利用して、

自宅介護をすれば、仕事との両立も可能です。

我が家の場合、デイサービスは9時にでかけて4時半に帰宅しますので、息子を保育園に預けて働いていた頃と変わりませんから、介護しながらなんとか仕事を続けています。

 

ただ、私の場合は自営業で時間が自由になるからなんとかなりますが、フルタイムで働いているとなると、親が4時半に帰ってきてしまうので、自分が帰宅するまではヘルパーさんを利用するなど、工夫が必要かもしれませんね。

 

そこでヘルパーさんの利用というと、自宅に来てくださってマンツーマンでお世話をして下さるのですから、ものすごくお金がかかりそうなイメージですが、実際に利用してみてわかったのは、朝の送り出しだけなら30分だけですみますし、

ピンポイントで30分だけとか、1時間だけ、と利用するならかなりお安く利用できてとっても助かっています。

母の場合は1割負担ですから、1時間でした4500円の利用料の1割ですから450円ほど、30分の利用でしたらその半額ほどなので、本当にありがたく利用させていただいています。

 

介護度合いは一人一人違いますし、手がかかる部分も一人一人違います。ですので、どの部分を、行政のお世話になるか・・という事も一人一人違ってきます。

ですので、介護料金はいくらかかりますよ、というのは一概には言えませんが、

我が家の両親の事例は、病院通いとか、入院とか医療費を計算に入れていません。これで、医療費を追加すると莫大に費用がかかってしまうので、やはり、老後の貯金は少しでも多く貯めておくのが良いのだな、というのが正直なところの感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有限会社 Harmony Consulting 代表取締役 丹沢智美

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